「伝統」からの「革新」

楽器職人として、私は時には10年以上にわたる「成熟」を要する木材の使用に対する責任を感じています。 未来への持続可能性は楽器製作において大変重要な課題です。 それゆえにこそ、私は木工における最新技術をサポートし、また自ら製作に取り入れています。

木材改質技術

300年間を3日間に短縮

”HAGENWEISE”では、ショールームパートナーのアルミン・ハニカがドレスデン工科大学と共同で開発した木材改質技術を用いて熟成させた素材を、ご希望に応じて加工・製品に使用 しています。
いわゆる加熱処理プロセスにおいて、すでにある程度シーズニングされた木材がその熟成に要する期間はわずか数日間です。これは、通常の数百年間の保管期間に匹敵します。 このテクノロジーは古の名匠たちの作品コピーを製作する場合に、音響特性の分野でもオリジナルに極めて近い結果をもたらすことを可能にしました。 さらにこの加熱処理技術はヴァイオリン製作における木材の選択・保管・熟成に関してまったく新しい考え方をもたらします。

圧縮処理前と後のスプルースの角材

"ソノ・ウッド”について

熱帯産木に替わりうる素材

熱帯の木材資源の減少を見越した上で、弦楽器製作には持続可能な代替手段が必要です。 スイス産の圧縮木材で作られた”ソノ・”ウッド”は硬く強度があり、また音伝達性能も優れていますが、 我々と協力関係にある弦楽器工房Wilhelm Geigenbau(ウィルヘルム・ガイゲンバウ)ではこの圧縮材を使用した
指板・ペグ・テールピース・ あご当て等のパーツを生産しております。 これらは木目を際立たせた、極めて美しいアクセサリーです。 音響基準に則って厳選されたこのアクセサリー素材は、楽器のレスポンスを改善するばかりでなく、より方向性の強いサウンドをもたらします。 素材のユニークな特性を最大限に活した洗練されたデザイン、 モデルも弦楽器製作者、プレイヤーたちの協力のもと、音色的に最適化されています。